田辺会営調剤薬局

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薬局研修会

薬局研修会(7)

*知ってた?
慢性腎臓病など、腎機能が悪化するとA1cが低くなるってよく聞くけど
鉄欠乏性の貧血だとA1cが高くなるって知ってた?
若い女性だったが、赤血球の寿命と関係があるらしい。
詳しくは紀南前に聞いてね。

*小柴胡湯で眠れる?
何で小柴胡湯で眠れるようになるんですか?という質問を受けた。
鬱病などを除いて、人は気になる事がなければ眠れる。寝付くとき全能感が
なければ眠れないと聞いたことがある。人は子宮の中に戻って眠りにつくの
かも知れない。
私の場合、心配な事があって、不安感を感じたり、ついつい考えてしまうこと
があったりすると眠れない。これは、「考えても仕方がないからもう考えない」
ということが出来ないから起こる。
で、アルコールを飲むと眠れる、エチゾラムを飲むと眠れる、小柴胡湯や
加味逍遥散を飲むと眠れる。共通項は何なんだろう。気になる事、脅迫的な
神経の異常が、飲むと「どうでもよくなる」ように思える。
柴胡は超自我からの束縛から自我を開放する。これは半分冗談・・・。

 

 

薬局研修会資料 漢方薬について(6)

四物湯について  =ある漢方医の述懐=
*昔のことはよくわからない。この四物湯も出展は和剤局方である。漢方を勉強するうえで、
大切な基本処方であるが、初心者にとって最も理解に苦しむものであろう。
四物湯は「血虚」の薬、補血薬の代表といわれるが、この血虚とはどういう病態をさすので
あろうか。血や血虚という概念が古代から変遷している。現在の中医学では「血」を現代医学
の「血液」と結び付けて同じように解釈しようとする傾向がある。これは臓腑についても同様で
ある。しかし、古人の考えた臓腑は全く別のものであるように、血と血液は同じではない。
そして大切なことは「血虚」というものは「貧血」とは全く関係がないということである。
中国の医学には貧血という言葉も血色素や赤血球の減少を示すものは何もないのである。
急性の貧血のみならず、慢性の貧血でも四物湯を用いると必ず病人は弱るのである。
私はまず四物湯はあきらめた。そして芎帰膠艾湯から使いはじめたのである。

*芎帰膠艾湯は金匱要略(200年漢末)に出ている方剤で婦人妊娠病門にあります。
①一般に婦人の不正出血に用いる。
②流産早産のあと、出血の止まらないもの。
③妊娠中の出血。もし妊娠中の下血に腹痛を伴えば、切迫流産である。
 以上の三つの適応症をあげている。
①②の場合は本方を用いて止血してよい場合もあり、駆瘀血剤が適応する場合もある。
③の妊娠中の出血、切迫流産は本方の最も適応する症である。

すなわち古人は外傷性の出血および諸出血に用いている。だから止血剤として、吐血、喀血
、衂血、血尿、胃・十二指腸潰瘍の出血、痔出血などに使用し効果があることがわかった。
反面、無効な症例もあった。痔出血も酒客のそれは止まりにくく黄連解毒湯が良かったり、婦人
の不正出血も通導散や桂枝茯苓丸がよかった例もあった。そして芎帰膠艾湯でなくても、四物湯
でもけっこう止血作用の強いことがわかったのである。

*お話しかわって、芎帰湯という方剤がある。当帰と川芎の二味からなる。
産前産後の諸疾を治し、および難産、①催生、②崩漏、③胎動痛、皆これを主る。
主治の①催生とはお産が始まってなかなか子供が生まれないとき、これを早く生まれるように
する。「ハヤメ薬」といった。
②崩漏は不正出血である。崩は山が崩れるように、大量に、漏は雨漏りのごとくポツンポツンと
少量の出血をさす。
③胎動とは、胎児の運動ではなく、切迫流産を意味している。

香川牛山は使用法を次のように述べている。
・脈が一呼吸に六拍以上になり陣痛がきて破水すると芎帰湯を用いれば出産する。
・産後には、まず虚実を問わず芎帰湯を用いるべき。芎帰湯は1日だけ服用させ、その後は
 芎帰調血飲を用いる。
・産後に胎盤のおりないときは(産後1時間を過ぎても出ないときは)芎帰湯に肉桂を加えると
 効果がある。
・産後に悪露が止まらず、腰や腹、下腹部が痛むには、芎帰湯に乳香などを加えて用いる。

川芎と当帰には子宮の筋肉の収縮をよくする作用があると考えられる。陣痛微弱に用いたり、
産後の止血や子宮の戻りをよくするため用いたりしている。江戸時代の風景でした・・・

*四物湯が歴史の中で初めて姿を現したのは「和剤局方・1110年・中国処方集」である。
芎帰膠艾湯の止血薬から婦人の月経異常、妊娠中、産後の異常などに応用を拡大している。婦人
の不正出血に膠艾湯を用いているうちに、婦人の月経過多、月経周期の異常、困難症などに有効
なことがわかり月経の調整作用が知られた。
また、器質的な変化のみでなく血の道的、更年期など内分泌、自律神経の失調などに広く応用さ
れるようになった。婦人の聖薬として重視されたのである。

加減法を少し。知らない言葉は無視してください。
・月経が始まろうとするとき生理痛があるのは、血実気滞である。黄連香附子を加える。
・生理が遅れて出血しないで痛みだけくるときは、血虚して寒がある。
・生理が早くくるのは、血虚して熱がある。黄檗・知母・香附子を加える。
・生理が遅れて凝血の塊がでるのは気鬱して血滞である。桃仁・紅花・牡丹皮を加える。
・生理が始まった後で痛むのは気血が虚している。四君子湯を合方し乾姜を加える。
・妊娠中の出血、切迫流産には艾葉・阿膠・黄芩を加える。

そして、「婦人の百病は四物湯に呉茱萸を加えて用いると治らないものはない」と言われる
ようになりました。
最後までお読みいただいた方には感謝します。 担当:K



 

薬局研修会資料 漢方薬について(5)

苓桂朮甘湯について
起立性調節障碍に用います。

・暖かいところにいると気分が悪くなる。あつい風呂や長湯が出来ない。寒がりだが夏より
冬が過ごしやすい。疲れやすい、体力がない。頭が痛い、肩がこる、手足が冷える。
胃がつかえる、吐き気がする。朝が起きにくい、夜は眠れない。

・めまいがする。これは眼前暗黒というもので急に立ち上がった時、目の前が急に暗くなる。
同時に耳が聞こえなくなる。気が遠くなる。ひどい時は失神する。顔色が蒼白になり大粒の
冷や汗がでる。
・不定愁訴といわれ訴えが多い。ほとんど自覚症状だけで検査所見は得られない。
損な体質だが、人生後半はバリバリで元気だそうです。スロースターター。
 

気虚について
気の不足であり、機能即ち働きが衰えている場合をさす。このときには次の症状が現れる。
・顔色が青白い、ことに口唇の血色が淡い。
・言葉に力がなく、大きな声が出ない。
・手足がだるく、力が入らない。
・疲れやすく、何をするのも大儀である。すぐ眠くなる。
臨床上では
1. 胃腸の働きが弱く、消化吸収の悪いものは気虚となる。脾の気虚という。このときは
  食欲がなく、痩せ型である。
2. 出血後、貧血や低蛋白血症、栄養失調のときも気虚である。このときは浮腫を生ず
  ることがある。
3. 同化作用より異化作用の方が弱く、エネルギーに転換されない者も気虚である。
  この場合は太っていることが多い。


陽虚について
気も陽であるから気虚は陽虚に含まれる。しかし、陽は熱であり火である。それで陽が
虚すと陰陽のバランスがくずれて、寒の症状が現れる。反対に陰は寒であり水である。
陽虚則陰盛→陰盛則寒、ということになる。(陽虚は気虚+寒の症状になる)
体がだるく疲れやすいなど、前記の気虚の症状に加えて・・・・
・よく寒がる。四肢が冷えてつめたい。寒さに弱く、冷えに遇うと悪い。温めるのを好む。
・顔色も青白く、皮膚に赤味が乏しい。
・口は渇かない。水も飲みたがらない。唾液が口中に湧いてくる。子供は涎が多い。
・尿量が多く、色が薄い。大便は軟らかく溏す。色も淡く臭気も少ない。
・舌は湿潤し舌質は淡く、苔は白い。歯印があることもある。

陽虚はエネルギー代謝が衰えている状態である。老人に多くみられる。老人はエネルギー
代謝が悪く、運動量も減ってエネルギーが熱に換わらず、体温も低く、寒がりとなる。
脈も遅く、発汗も少ない。暖を好む。従って暖かい飲み物や食べ物がよい。
発汗が少ないから、尿量が多くなる。体内に水分の減少がないため口渇もなく、水を
欲しがらない。冷えて、寒冷の刺激を腸が受けると蠕動亢進をおこして、腹痛を伴い
下痢する。子供では尿量が多く、冬季にかけて夜尿症が悪化し常に「よだれ」が多い。


温病について
同じ外感の条件を受けても、その発病や経過は内因により非常に異なったものになる。
陰虚、血虚の者、この者は大体痩せて細く、新陳代謝が高く、熱の産生が多い体質で
ある。従って、外患病の初期から悪風悪寒が少なく、熱感が強く、主に温病の経過を
とる(傷寒ではなく)。よくは分からないが中国人も血虚陰虚の人が多いため温病的
経過をとる外患病が多いのではないかと思う。中国の外患病論が温病論を主とし、
傷寒論を従とするのを見ればそんな感じを受けるのである。
「ただ熱して悪寒せず、渇する者は温病となす」、銀翹散これを主る。医療保険になく
OTCにあります。駆風解毒湯、葛根湯加桔梗石膏などが同じ範疇になります。
夏に流行するウイルス疾患に・・・いいのでは?


血虚について
体の物質的不足である。従って
・体が痩せて細い。体に潤いがない。筋肉がやせ細り、爪も弱くなる。
・皮膚につやが無く、カサカサしている。皮膚がやせて皮下脂肪が少なくなる。
・脈が細い。舌も細くしまり、どちらかといえば乾燥している。
・尿量も少なく、大便の量も多くない。
1. 多くは消化機能はよい。よく食べられる。陰虚ほどではないが、同化作用より異化作用
 が強い。従って気虚を伴っていない限り、元気もある。しかし食べても太らない。体内の
 水分も少ない。
2. また、皮脂の分泌の悪い者も血虚と呼んでいる。皮膚が乾燥しているのは血が少ない
 ため皮膚に栄養が行きわたらない、と古人は考えたのであろう。当帰など補血薬は潤肌
 の作用がある。
3. しかし、血虚を貧血と解釈するのは誤りである。出血して貧血がおき、血漿の蛋白質が
 減少すれば浮腫を生じ、色は蒼白になり、体はむしろ血虚の乾燥とは反対になる。


陰虚について
陰虚は陽虚と反対に、熱を生ずるのである。陰は寒であり水である。陰が虚すると火が
興り、熱が生ずる。従って陰虚は血虚+熱である。
・手足が煩る。午後に潮熱がでる。口渇し、口中が乾燥する。
・尿量は少なく、尿の色が濃くなる。
・大便は乾燥し、色が黒く、量も少なくなる。
・舌は乾燥して、舌質はしまって紅い。脈は細く、数である。
陰虚はエネルギー代謝の亢進した状態である。食べても食べても、みんなエネルギーに
転換されちっとも太れない。実際の臨床では陰陽調和から陰虚の極端なものまで、色々の
段階がある。痩せた人は温病などの熱病になると、すぐ脱水して陰虚の病証を表す。

 

薬局研修会資料 漢方薬について(4)

防風通聖散について
一貫堂医学、臓毒証体質から

臓毒の定義
臓毒とは体内のある種の毒に対する名称で病名ではない。新陳代謝障害物その他の毒が
身体の各臓器に瀰漫蓄積したものをいう。
言い換えれば防風通聖散で治すべき病気にかかり易い体質を臓毒証体質といい、この
防風通聖散は風毒、食毒、水毒、梅毒を駆逐する効能を持つているので、この四毒が
すなわち臓毒に相当することになる。
水毒
腎臓の排水障害のため、液状老廃物が体内に蓄積された時に水毒を生じる。障害が
明らかにある時は水腫をきたすが、漢方医学では尿変を証明しえない程度の腎機能障害
による水毒を重視する。
水毒の存在は眼疾、頭痛、眩暈、不眠、動悸、神経痛、胃病などの原因となることが多く、
水毒駆除は治療上の重要な問題である。

防風通聖散について
望診 色白の者に多い。体格はたくましく、脂肪型あるいは筋肉型が多い。
   将来、脳溢血を起こす危険を感じる風貌をそなえた者を標準とすればよい。
   青年期、壮年期までは比較的健康な体質であるが、壮年期以降は食毒水毒に起因
   する脳溢血、動脈硬化症、腎臓疾患等の危険が多くなる。
脈診 脈は弦、洪、実である。
腹診 腹内脂肪沈着と称せられるものがそれである。
   全腹筋の硬満。または腹部一円に濡満したもの。
罹患し易い疾患
青年期
諸種の熱性伝染病にかかり易い。虫垂炎を起こし易い。丹毒はこの証に特有。
壮年期
さらに神経痛、脊髄炎、腎臓疾患、糖尿病、神経衰弱、常習性便秘、癤、癰、痔疾などを
起こし易くなる。喘息はこの体質につきものである。
壮年期以降
前記の病気以外に動脈硬化症、脳溢血、萎縮腎などを病む。
防風通聖散によってその予防または治療に当たるのである。

・第一次世界大戦後~大正時代にかけて多かった。戦後は少なかったが現在、増えている。
時代と共に増えたり減ったりしている様です。生活習慣病ですかね?
・腎硬化症、痛風腎、糖尿病性腎症など、この体質の方が多いのでしょうか?
そういう目で見ていなかったので、分かりませんが。

閑話休題

中医の話
日本人のうつ病は軽いと中医に言われた。中国人は自己主張が強く簡単には気を病まないが
病むと難治である。日本人は周りを気にし、気を遣い、気や胃腸を病む人が多い。
それで柴胡を多用する。柴胡は多く使えば清熱に、少なく使えばストレスの解消に効果が
あります。中国では地黄・玄参を重用する。

柴胡の症例
・アルコールを飲まないと眠れない。何か薬はないか?小柴胡湯を勧めた。
眠れるようになった。お酒も飲みたくなくなった。
・胃潰瘍が治らない。四逆散を勧めた。
あれから眠くてしようがない。もう一週間寝っぱなっしや。潰瘍はなおった。


柴胡清肝散について
一貫堂医学、解毒証体質から

解毒証体質とは解毒剤すなわち、四物黄連解毒剤によって治療に当たる体質をいう。肝臓の解毒
作用を必要とするいろいろな体毒を持っている体質と見なすことができる。幼年期には柴胡清肝湯
、青年期には荊芥連翹湯、それ以降には竜胆瀉肝湯を用いる。
解毒証体質は、その大部分は父母より遺伝され、年齢に従って変化消長を来すものである。
すなわち、幼年期はその毒が最も強く、かつ大部分の小児に認められるものであるが、青年期に
達すれば大多数は強健となり、そのうちの少数が依然として解毒証体質を持っていて、結核等を
病みやすいのである。さらに壮年期以降となれば解毒証体質は少なくなり結核に対する危険も緩和
されるのである。これすなわち解毒証体質の消長を示すものである。

柴胡清肝散について
この体質を有する小児は、つねに風邪、気管支炎、扁桃炎などの炎症性疾患に侵されやすいが、
これらの疾患は柴胡清肝散によって治療しているのである。また、小児期に柴胡清肝散証の著明
な者は青年期に達すると荊芥連翹湯証となる。この体質者は青年期以降も肥満することなく、多少
なりとも結核に対する危険を感ずるものである。
望診 虚弱でつねに風邪気味で気管支炎、扁桃炎を発病しやすく、また風邪のあと中耳炎を起こし
   易く、アデノイドを起こし易い。たいてい青白い顔色か、または浅黒いものが多い。
   体格はもちろんやせ型で首が細く、胸が狭い。
脈診 小児の脈は重要視できない。
腹診 腹筋の緊張が強く、腹が軟らかでない。腹診をするとき、くすぐったがる。
   腹診時の腹壁の異常過敏症は解毒証体質に特有である。
かかり易い病気
結核性疾患、扁桃炎、咽頭炎、鼻炎、アデノイド、中耳炎、神経質など
最近はアトピー性皮膚炎にも使用されているようです。

荊芥連翹湯のかかり易い病気
結核性疾患、蓄膿症、中耳炎、神経衰弱など
竜胆瀉肝湯のかかり易い病気
痔核、痔瘻、眼病、胃病、膀胱炎、淋疾、女性泌尿器生殖器疾患など
 

 

薬局研修会資料 漢方薬について(3)

日時:平成29年7月 担当:K

瘀血について
一貫堂医学、瘀血証体質から
・瘀血とは何かというと、清浄ではない汚れた非生理的血液で、毛細血管内に鬱滞して循環の
不十分な血液をいう。下腹部、骨盤腔内に沈滞している。
・瘀血の成因は遺伝、出産、閉経、打撲、熱性の病などである。昔は「まくり」に桃仁、紅花を
加えたり、産後には実母散(芎帰調血飲加減)を飲ませたりした。
・駆瘀血作用の程度は
緩和な駆瘀血剤として当帰、川芎がある。
やや実証の者には桃仁、牡丹皮、紅花を用いる。
さらに瘀血が古くなって根深いものにシャ虫、水蛭、蘇木などがある。
そして古方薬として駆瘀血剤の主なものは
当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、桃核承気湯、大黄牡丹皮湯、抵当丸などである。
後世派医学の駆瘀血剤としては
芎帰調血飲第一加減、通導散などである。
・通導散証について
望診
通導散は強烈な駆瘀血作用を持っているから多量の瘀血を保有している人が対象となる。
ゆえに、望診によって、それが分かるのである。
まず、肥満しているものが多い。顔色は赤ら顔を呈するものが大部分である。
次に爪の色であるがいちごの様な色か、または暗赤色の者が多い。典型的な例をいえば、
肥満した、赤ら顔の、爪の色の暗赤色の者に用うべき処方と思えばよい。
脈診 原則として細実である。
腹診 心下から腹直筋に相当して強い拘攣を触知する。
主訴 頭痛、頭重、眩暈、上逆、耳鳴、肩こり、動悸、便秘などが主なもの。
罹患し易い疾患
脳溢血、片麻痺、喘息、胃腸病、胃癌、肝臓病、痔疾、神経性疾患、動脈硬化症、常習性便秘、
歯痛、眼病、腰痛、バセドウ病、発狂、虫垂炎、心臓病など、また産婦人科疾患ではほとんど
全部に適応する。

下剤について
陽明の病たる・・・  病が表から内に侵入、熱は潮の満ち引きの様に、脈は遅く自汗する。
腸管は麻痺し便は硬く腹部は膨満し便通はない。大承気湯これを司る。
枳実・厚朴が腸管の動きを速め、芒硝が水分を保ち、大黄が瀉下する。
大黄=センノサイド 枳実・厚朴=セレキノン・モサプリド 芒硝=酸化マグネシウム と考えると分かりやすい。
麻子仁丸は麻子仁・杏仁が便を」軟らかくする。

丸と散、煎じると薬効がないのは
当帰芍薬散・五苓散 沢瀉が熱に弱い 20分で有効成分が分解
釣藤散 釣藤鈎が熱に弱い(同上)
桂枝茯苓丸・麻子仁丸 桃仁・麻子仁が油分が多いので丸薬に適している。

副作用について
附子は陰虚の人は当たりやすい。水分比率の高い子供は当たりにくい。
麻黄は気虚の人は当たりやすい。肩こりに葛根湯をのんで反って疲れるなど。
甘草は心臓や腎機能が低下している人に浮腫がでる。3g/日以上は注意が必要。
・麻黄附子細辛湯は温める薬ばかりで陰虚(お年寄りに多い)には注意だが、当たった人に
出会ったことがない。
少陰の病たる脈微細、ただ寝ねんと欲す、麻黄附子細辛湯これを司る。身体がだるく寝ていたい。
症状はひどくないが治りにくい、風邪をひくと一か月。

 

薬局研修会資料 漢方薬について(2)

日時:平成29年7月 担当:K

気虚について
消化吸収力が低下してエネルギーが足りない状態が続くと筋力の低下・栄養失調・体温の調整機能の変調などが起きる。夏バテについては白粥と脂の少ないおかずから始める。回数は1日何回食べてもよい。噛まないと喉が通らない食事にする(ラーメン・ちゃづけ・そーめんは不可)水分は消化液が薄まるので少なく。胃もたれ、吐き気などには六君子湯、味がない・身体がだるい・微熱寝汗などには補中益気湯を用いる。エンシュアも気虚の薬と考える。

五苓散について
五苓散はフロセミドやというDrもいてますが、説明がつきにくい。
血管内が脱水状態で血管外に浮腫がある。水を血管内に入れる働きが五苓散。頭→片頭痛 消化器→嘔吐下痢症 酒→二日酔い予防 蜂に刺された時の浮腫には麻黄附子細辛湯の方がよく効くようで、最近あまり使われない。

気滞について
胃腸や胆道・尿道のような管が炎症もないのに異常な動きをすることをいいます。反芻(逆流性食道炎)、胆道ジスキネジア、過敏性大腸、過活動性膀胱などです。ある書物によると反芻には茯苓飲、胆道には四逆散、大腸には桂枝加芍薬湯、膀胱には加味逍遥散がよいとあります。

凍瘡について
寒冷刺激により血管内に霜焼の種ができそれが静脈の流れを悪くして発症する。子供に多いが大人ではほとんどが女性である。当帰四逆湯で動脈血の流れをよくし桃仁・牡丹皮・大黄で血栓の溶解を試みる。2~3日で軽快するとある。

発汗療法について
傷寒の病、頭痛発熱悪寒し自汗出でず、麻黄湯これを司る。服用して発汗を待つ。しなければ、2-3時間毎に服用する。多いに汗が出るのはよくない、少しづつ発汗するのがよい。たとえ病が癒えなくても発汗療法で病勢は削がれるとあります。1日3回服用とは書かれていません。発汗して解熱したら服薬は終了です。別に多汗について書かれています。中風の病たる頭痛発熱悪風自汗する、桂枝湯これを司る。あるお客さんが桂枝湯をください。何に使われます。汗かきでお通夜に飲んでいくと2時間ほど止まるんです。

治打撲一方について
例)7か月前、イスから落ちて頭、肩、腕を挫傷した。手当は受けたが痛みやしびれが残った。
いろいろ治療を受けたが治らない。今も苦しんでいる。
治打撲一方を7日分投与。治癒した。
例2)磯釣りのため舟からとび移るとき、誤って足を捻挫した。しばらくは物も言えぬ位
痛かった。その夜熱が出て痛みのため一睡も出来なかった。
下肢が腫れて2倍位はあった。紫斑があったが骨折はなかった。
大黄3g入れて治打撲一方を与えた。
服用して数行の下痢があった。大便は黒色で悪臭であった。痛みは一服飲むたびに楽になり、
下痢して急に楽になった。次の日、歩いて会社に・・・・
「本方は戦国時代の軍医たちが考案、秘伝としていたものを香川修庵が内容を整理して
このように固定した。
何故臭い黒い大便が多量に出るのか、どうして血腫が退いて行くのか分からないが、
古(悪)血が便に取れると感じた古人の気持が分かる」とあります。

 

薬局研修会資料 漢方薬について(1)

日時:平成29年6月 担当:K

陰陽
昔、この世は混とんだった。永い時間を経て軽いものは上にあがり大気となり、重いものは下に沈み大地となった。大気を陽、大地を陰という。人間は陰と陽の硲に住む。よって陰と陽でできている。陰と陽のバランスが保たれ、気血が滞らず流れている状態を健康という。

気血
気は元気・気力の気で陽の一部。血は全身の組織・器官に栄養を与え滋潤する、陰の一部。

虚実
虚は足りないこと。体に必要なものが不足すること、治療は不足を補う。
実は病邪の実。病邪の存在と病理的反応状態を指す、治療は瀉。
虚は補い実は瀉す。

寒熱
寒熱は病邪の性質。インフルエンザは寒という病邪に侵されている状態。傷寒の病たる、頭痛発熱・悪寒し自ら汗出でず 治療法は発汗療法、麻黄湯・葛根湯など。

表裏内外
体の部位。○体の表面と裏側、◎消化管は内、手足頭などは表。病邪が表にあるときは汗に、内にある時は吐下で、裏にある時は清熱・和解の療法をとる。

五行説
木火土金水:世界の構成要素 心は意識、肺は心肺機能、脾は消化吸収と免疫、肝は感情と自律神経による調節、腎はホルモンによる調節と生殖を司る
人は食べないと死ぬ(脾の働き)、食べていても何時か死ぬ(腎の働き)

気虚
元気がない、疲れやすい、気力体力がない、息切れする、自汗、盗汗、微熱がするなど
六君子湯、補中益気湯など参照

陽虚
気虚+寒がる、四肢の冷え、チアノーゼ、尿量過多、泥状~水様便 真武湯参照

血虚
皮膚につやがない、痩せる、目がかすむ、爪がもろい、手足のしびれなど 四物湯参照

陰虚
血虚+顔面紅潮、のぼせ、手足のほてり、口渇、鏡面舌など 六味丸、一貫煎参照

気滞
加味逍遥散、四逆散 参照

血瘀
桂枝茯苓丸、通導散参照

以上、陰陽虚実など言葉の定義などです。

漢方医学は陰陽五行説+運気論で出来上がっています。科学ではない、再現性は考慮されていない。
日本人はもともと科学に親和性があり、江戸時代、再現性がある指示の書傷寒論に魅かれました。
現在、使用されている処方の多くは傷寒論・金匱要略など古方といわれるものです。

 

薬局研修会 慢性腎臓病(まとめ)

日時:平成29年5月

腎臓にはとても多くの種類の病気があり、それぞれ症状や経過が異なる。
治療方法や処方される薬にも違いがあり、種類により診療科も異なるため注意が必要です。
腎臓病の種類
・原発性と続発性 ・急性と慢性

検査方法について
診断基準について(慢性腎臓病の診断、eGFR)
合併症について
治療法について(食事療法)

慢性腎臓病 処方箋と検査値から
・急性期(糸球体腎炎・ネフローゼ)は治るが慢性期は治りにくい。進行を遅らせる治療になる。
・続発性の腎臓病(糖尿病性腎症、腎硬化症、痛風腎など)は血管を傷めるためか検査値の悪化
(クレアチニンやeGFR)がみられる。
・クレアチニンが3を超えると進行は止まらなくなり、8前後が透析の目安になる。
・ネフローゼや膠原病などステロイドや免疫抑制剤を服用されている患者さんの検査値は悪化がみられない。
・糖尿病でインシュリンを使用されている方とステロイド療法の副作用でインシュリンを使用されている方、また1型糖尿病でインシュリンを使用されている方の検査値は全く異なる。
・ジラゼブ、ロサルタンKを服用されている患者さんは尿検査で病気が見つかった方が多く他に持病がないためか検査値の悪化は少ない。

【検査値】
赤血球、ヘモグロビン
尿酸の増加原因 1.腎機能障害、2.痛風(プリン体の過剰摂取)、3.炎症
クレアチニンの増加原因 1.腎機能障害 2.脱水、3.激しい運動の後
CRP増加原因 1.感染症、2.組織破壊(心筋梗塞、関節リウマチ)、3.悪性腫瘍
アルブミンの減少原因 1.栄養障害、2.肝機能障害、3.腎機能障害
総コレステロール増加原因 1.食事、2.糖尿病、3.家族性高コレステロール血症、4.代謝低下

・オルメテックが多用される理由?
何か理由があるのかも知れませんが、Drの好みだと思います。糸球体内圧を下げるのにはARBが良いですが、ミカルディス・ニューロタン・ディオバンなどを使うDrもいます。
ただ、オルメテックはARBの中でも降圧作用が強いので、しっかりと降圧させる目的で多用されているかもしれません。
・水分を多く摂取する理由?
腎機能を維持させるためです。腎機能の評価は糸球体ろ過量(GFR)で決まります。
GFRを維持させるには、十分な血漿流量(RPF)が必要です。
血漿を増やす=水分を摂取する。